失踪前の名作 ─ Manic Street Preachers / The Holy Bible
公開日: 更新日:
Richey Edwards リッチー・エドワーズ
Manic Street Preachers(マニック・ストリート・プリーチャーズ)のギタリストだ。
91年「アルバム1枚のみをリリースして世界各国で1位になって解散する」と宣言しメジャーデビュー。
それは叶わなかったが、腕にカミソリで「4REAL」と切りつけバンドが本気であると訴えたり、ドラッグやアルコールの問題など絵に描いたようなロックな生き方をしていた。
作詞家としても過激な思想を曲に込め、バンドの批判精神を色濃く表した。
そんなリッチーが失踪したのは95年2月。
アメリカツアーの前夜だった。
以降、様々な国で目撃情報を得るも本人であるかは確認できず、また戻ってくることもなく2008年に死亡宣告を受けた。
(実際に死亡しているかは確認できないが生死不明の状態が何年も続いた場合、相続など法律関係を確定させるための制度)
リッチーの失踪の半年前にリリースされたのがマニック・ストリート・プリーチャーズの3rdアルバム『The Holy Bible』(ザ・ホーリー・バイブル)である。
「現実で感じる矛盾」や「個性を潰しにくる社会の抑圧」というものに対し、「政治的批判や思想と警告」として音楽でストレートに伝える危険性をビンビンに感じるアルバムである。
これこそがマニックスらしいロックであり、3rdにして昇華されたと感じた。
暗い作品だと評価されているらしいが、個人的にはManic Street Preachers一番の名盤だと思っている。
クオリティーの向上、そしてポップス性
それまでのバンドとしてのグルーヴ感の充実とクオリティーの向上は別物と捉えられるくらい。
①『Yes』から②『Ifwhiteamericatoldthetruthforonedayit'sworldwouldfallapart』の流れは鳥肌もの。
1st『Generation Terrorists』2nd『Gold Against the Soul』の延長線上にあるが別物なのである。
サウンドの進化が感じられるが純粋に曲が良い。
リフもキャッチーでクセになる。
アルバム全体的にメロディーもリフも非常にキャッチー。
初期のハードロック調の雰囲気から離れ、オルタナティヴロックとなっている。
哀愁漂うヴォーカルにエモーショナルなプレイ。
全体を通して聴きやすく、アヴァンギャルドなプレイも随所に表れる。
これまでの作品から大きく進化しており、各メンバーの表現力が最大値に達している。
そこが昇華したと感じたポイントであった。
またManic Street Preachersで重要なのが歌詞である。
過激であって正直な訴え
Manic Street Preachersと言えば批判精神という美学。
リッチーとベースのニッキー・ワイアーが作詞をしているが、メロディーのポップ性とは裏腹な正々堂々とした"物言い"が魅力である。
プロパガンダとも捉えられるかもしれないが、そう単純な歌詞でもない。
美学であるからには、訴えるものの本質は簡単に晒さない、と感じる。
②『Ifwhiteamericatoldthetruthforonedayit'sworldwouldfallapart』
このタイトルだもんな。
フェイヴァリットはニッキー作詞の⑤『Archives of Pain』です。
我々は気がついたら社会のルールに矯正・調教されている。
自由ではない状態でも自由を感じろ、と。
TV番組もコンプライアンス重視で表現の自由を奪われ、無駄な時間を垂れ流しされる。
政治では昨今のカルト団体や会社組織との癒着による政治操作、都合よく自己防衛に走る姿勢、国民から搾取した税金の無駄使い、選挙期間中だけの低姿勢─
何かニュースが上がれば、それに対しての集中砲火が起こる。
そうしている間に国民にとって重要な法案が可決されていることが多い。
社会的な不満を感じることは沢山あるが『The Holy Bible』では、
・我々が目を向けるべきは何なのか
・何を正しいとして生きるべきなのか
綺麗事ばかりを述べるのではなく、汚さを語った上での説得力が人を動かすと思われる。ネガティヴ思考からのプラス発想。
私にとって、そういう事を考えさせられる事がロックであり、素晴らしいアルバムである。語彙力がないのでうまく伝えられないが、ニュアンスはそんなところです。
しかし、歌詞の内容を過激と捉えるか、正直と捉えるか、また音楽に必要かどうかは問題じゃないし語るのも好きではない。
ロックに理屈はいらない。
結局「カッコ良い」か「カッコ悪い」かだと信じている。
『The Holy Bible』はカッコ良い。
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