Extremeが与えた『Pornograffitti』(名盤)の衝撃

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本格的なオルタナ・グランジムーヴメント前夜とも言える1990年のロックシーンに発売されたExtremeの2ndアルバム『Pornograffitti(ポルノグラフィティ)』。
このアルバムでExtremeは世界的な成功を果たした。

「名盤」とは、あるアーティストが制作した特別なアルバムのことを指す。それは、そのアーティストが持つ音楽的才能や個性が十分に発揮された、特別な1枚。

なぜ名盤か?

私がこのアルバムを初めて聴いたのは95年頃。
当時中学生でいろんな音楽雑誌を読み漁っていた時に、あらゆるミュージシャンが衝撃を受けたアルバムに『ポルノグラフィティ』を挙げていた。
GLAYのHISASHIが挙げていたことで「よし、買って聴いてみよう!」とレコードショップへ向かったのでした。

当時のメンバーは
ゲイリー・シェローン - ボーカル、バックボーカル
ヌーノ・ベッテンコート - ギター、キーボード、ピアノ、パーカッション、バックボーカル
パット・バッジャー - ベース、バックボーカル
ポール・ギアリ - ドラムス、パーカッション

「なんだこの音は!?」
そんな第一印象でした。

ファンクメタルと呼ばれる通りめちゃくちゃファンキーでテクニカル。
抜けの良いギターサウンドとゴキゲンなメロディー。
ヌーノがこれでもかっていうくらい細かなプレイを入れてくる。
そんでもって曲がなかなか終わらない…
なんだかメロディーや歌唱力が「正統派で陽気?」なハードロックという感じがして、当時中学生で闇属性の自分にとっては少し大人なロックでした。

しかし聴いていくにつれギターキッズだった私はヌーノとL500(ギターのピックアップ)の虜になっていったわけです。
それは後にヌーノがオルタナ・グランジ方面へ傾向していったこともあると思います。

『More Than Words』を弾いて女の子に「スゴーイ!」と言わせる、っていうのはギタリストあるあるでしょう。いっぱいいるはず。

そんな青春も思い出させる『ポルノグラフィティ』はメロディアスでポップで聴きやすく、ギターキッズも興奮させる。
DEAD ENDやB'z、SIAM SHADEファンにフォロワーが多いのも納得です。

89年に発売したデビューアルバム『Extreme』から1年という短いスパンでの発表だがサウンドは格段に良くなっており、重いフレーズでも潰れない硬質なメタルサウンドが今聴いても色褪せない。

①『Decadence Dance』は、まさに1曲目!という鳥肌モノの幕開け。
これはギタリストなら指がうずくはず。
そしてN4が欲しくなる、という流れ。
もはやあるある。
ラストは終わりそうで終わらない。

『Li'l Jack Horny』はコーラスをかけたメロウソングと思いきや悪巧みしてそうなリフに移行してからのタッピングバリバリで濡らしてくる。
この曲のギターソロはめちゃくちゃカッコイイ。
繰り返し聴きたくなる。
そんでもってこれも終わりそうで終わらない。
なんなのこれ。

なんかゴキゲンなラップで始まる③『When I'm President』は中学生の時に受け付けなかったなぁ。闇属性の人に聴いて判断してもらいたい。苦手だと。
演奏はカッコ良い。
ただこれも終わりそうで終わらない。
エンドレス3連達成。

ファンキーな④『Get The Funk Out』を挟んで名曲⑤『More Than Words』。
急なバラードに心構えができてないよって人、多いと思う。
ヌーノはこの曲を作った時のことを『夏の日に家のポーチに座って、確か夕暮れ時だったと思う、ただ浮かんでくるままに弾いたんだ、さらにメロディが自然と口をついて出てきて歌えた。「ワォ!いったいどうしたんだ?」って感じだった。それに、俺がギターでパーカッションぽいことをするだろう、そんなの以前はやったことないのに、その場でひらめいたんだ。』と1時間で出来た曲だと語っている。
よく「名曲を作るぞ!と思っても作れない、自然に降ってくるんだ。」と聞くが、まさにそんな曲なんですね。

アルバム全体的にヌーノのプレイは刺激的だが、表題曲の⑧『Pornograffitti』は非常に面白い。ヌーノの細かなエフェクト使いとプレイが「…すげぇなぁ」とため息もの。いつかはこんな曲を作ってみたいものだ。
壮大なバラード⑫『Song For Love』のギタープレイもヌーノらしくクセを出しつつもライヴ感も増幅し華麗にまとまっている。
ギターソロは気持ちよさそうに弾いている姿が想像できる。

90年に衝撃を与えた傑作アルバム『ポルノグラフィティ』
その後にリリースするアルバムは印象が異なるが、実は個人的には後の方が好みではある。
しかし、この名盤を聴かずしては聴けないのは確かである。改めて聴いてその完成度の高さを感じた。

そういえば⑬『Hole Hearted』の最後に聞こえる雷鳴と不思議な音は何なんだろう。
「ヒィ~ハーッ、ピュ~ン!」
終わり方が特徴的なバンドでもあります。

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執筆者:Arlie

アーリー、闇属性。 猫と競馬とテキーラが好き。 音楽はロックであれば何でも聴くが、たまに毒を吐く。実はアイドルも好き。

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