悲しみを乗り越えた傑作『But Here We Are』 Foo Fighters

公開日: 更新日:

フジロックフェスティバル'23でヘッドライナーとして8年ぶりに同フェスに出演するFoo Fighters。
2022年3月にドラマーのテイラー・ホーキンスを亡くしたバンドは2023年に入りライヴ活動を再開、そして11枚目のアルバムとなる『But Here We Are』を6月にリリースした。

本作はテイラーの死、またデイヴ・グロールの母・ヴァージニアの死という計り知れない悲しみを経ての制作となった。その為、バンド史上最も感情的な作品と捉えられている。しかしエネルギッシュでキャッチーな各楽曲はFoo Fightersらしく、流石のソングライティング力を発揮している。
どこか懐かしくもあるFoo Fighters節全開のメロディーと分厚いサウンドが、心を鷲掴みにして離さない。
ロックバンドというのは素晴らしい。
時代など関係なくスタイルはアナログでも、いや、だからこそエモーショナルで近代サウンドとは一線を画す生の感動が生まれる。

『But Here We Are』Foo Fighters

①Rescued
②Under You
③Hearing Voices
④But Here We Are
⑤The Glass
⑥Nothing At All
⑦Show Me How
⑧Beyond Me
⑨The Teacher
⑩Rest

アルバム『But Here We Are』はテイラーの突然の死について歌われていると思われる①『Rescued』で始まる。
It came in a flash
It came out of nowhere
It happened so fast
And then it was over
直訳すれば『それは突然起こり、そして終わってしまった…』という内容。
突然のことに理解できず、受け止められず、というまさに当時の状態を歌っていると感じ取れる。

②『Under You』では
I’ve been lookin’ up and down for you
君を探し回っている
Think I’m gettin’ over it, But there’s no gettin’ over it.
乗り越えられると思っても、できないんだ。

元教師である母・ヴァージニアに捧げられた⑨『The Teacher』は10分という長さに及ぶ壮大な曲。

このように曲タイトルからしても今作はパーソナルな悲しみと感情が入混じったものである。
だからこそバンドの本質が色濃く反映された作品であろうということが伺えます。

5月にはドラマーとしてThe VandalsのJosh Freeseの参加を発表。
GUNS N' ROSESやNINE INCH NAILSのサポートドラマーとして名高いが、特にa perfect circleでのプレイは超絶である。
テイラーの後任が誰になるか囁かれている中、Joshは個人的な本命であった。

Foo Fightersが始動して約30年。
どの作品も聴いた後の満足感は非常に大きい。
辛い事が起きようと、今回も間違いなかった。

人はいずれ死ぬ。
だから死ぬまで生きる。

何かに対する答えは一生出てこなくても良い。
それが正しいわけではなく、さらにそうする必要はない。

新たなスタートは、正直な自分を映し出した希望への第一歩だ。

コメント

ご意見や思った事など、なんでもコメントください。
※メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

CAPTCHA


Arlieの画像

執筆者:Arlie

アーリー、闇属性。 猫と競馬とテキーラが好き。 音楽はロックであれば何でも聴くが、たまに毒を吐く。実はアイドルも好き。

Arlieが書いた記事一覧

名盤の記事

ピックアップ記事

注目の洋楽バンド特集!コレを聴け!

公開日:

新たなバンドや中々これまで耳にする機会がなかったバンドなど、当サイトがおススメする注目の洋楽ロックバンドを紹介します♪ King Gizzard & The Lizard Wizard キング・ギザード&ザ・リザード・ウィザー...

重低音が鳴り響く!ベース音がかっこいい曲

公開日: 更新日:

X JAPAN – DAHLIA

公開日: 更新日:

愛しのロックスター Earth VS The Wildhearts

公開日: 更新日:

オーストラリアの有名ロックバンド特集 オージーロックが熱い!

公開日: 更新日:

アーティスト検索

アーティスト一覧へ

カテゴリ

ランキング

【ハイレゾ対応】iTunesおすすめのイコライザー設定

公開日: 更新日:

パソコンで音楽やビデオを整理・再生するアップルのメディアプレイヤー「iTunes(アイチューンズ)」。音にこだわる人な...

オーストラリアの有名ロックバンド特集 オージーロックが熱い!

公開日: 更新日:

名古屋系ヴィジュアル系をまとめてみた

公開日: 更新日:

重低音が鳴り響く!ベース音がかっこいい曲

公開日: 更新日:

懐かしのV系番組「BreakOut」に出演していたバンド達

公開日: 更新日:

ピックアップ記事

注目の洋楽バンド特集!コレを聴け!

公開日:

重低音が鳴り響く!ベース音がかっこいい曲

公開日: 更新日:

X JAPAN – DAHLIA

公開日: 更新日:

愛しのロックスター Earth VS The Wildhearts

公開日: 更新日:

オーストラリアの有名ロックバンド特集 オージーロックが熱い!

公開日: 更新日:

Extremeが与えた『Pornograffitti』(名盤)の衝撃

公開日: 更新日:

ロックな映画10選

公開日: 更新日:

名古屋系ヴィジュアル系をまとめてみた

公開日: 更新日:

Rockin'high 801とは?

Rockin'high 801

KURAMARLIE ROCK Co.が運営するロックを愛するポータルサイトです。