心揺さぶる泣きメロ"エモ"アルバム

GOING UNDER GROUND（ゴーイング・アンダー・グラウンド）のインディーズ含め通算7枚目のアルバム『h.o.p.s.』
着実に人気と売り上げを伸ばしてきていた2005年のリリースということでTV等への露出も多かった。

当時のメンバーは、
松本素生(まつもと そう) - ボーカル・ギター
中澤寛規(なかざわ ひろき) - ギター・ボーカル
石原聡(いしはら さとし) - ベース
伊藤洋一(いとう よういち) - キーボード ※2009年脱退
河野丈洋(こうの たけひろ) - ドラムス ※2015年脱退

『h.o.p.s.』での楽曲はこれまでで最高潮のクオリティーとなり、純粋にサウンドやミックス等のバランスが良くグルーヴ感が増幅している。
GOING UNDER GROUNDらしい"情景を浮かばせるような胸キュンメロディー"な、泣きメロに磨きがかかり、演奏も各々がしっかり見せ場が出るように計算されて組み込まれている。

収録されているシングル曲は『サンキュー』『同じ月を見てた』『アゲハ』。
『サンキュー』は本当に名曲だ。様々なメディアで松本素生が「駅のホームで寝ている若者を見たときに降ってきた曲」で、すぐに完成したと語っていた。
夢や希望、現実、青春、感謝というものに対する気持ちを「優しくて切ない音色と歌声」で見事に表現し泣きメロとして昇華している。

掛け合いのような各パートのプレイも「よく出来てるなぁ～」と感心させられる。
サビでは一気にエモーショナルになり感極まる。まさに泣きメロ。
当時はこの曲を何回もリピートして聴いていた。
このような曲がすぐに出来上がったなんて、、、
やはり名曲は「作ろうとして出来るのではなく、突然降ってくるモノ」なのだ。
シングルのカップリングであった『青空コウモリ』も疾走感のある切ないメロディーの名曲でありオススメ。

リリース翌年には初の日本武道館公演を行い順調な活動が進んでいくと思われたが、後にキーボードの伊藤洋一とソングライターの一人でもあったドラムスの河野丈洋が脱退。

河野丈洋さんの脱退理由

河野丈洋さんの脱退は、そもそもバンドのレコード会社移籍、事務所移籍などで活動が失速してしまったのは否めない。

が、河野丈洋さんは脱退のコメント下記のようにコメントしている。

メンバーの中で、自分だけがこのバンドに融和しきれていないという感覚は
デビュー当初からずっとありましたが、しかし同時に、自分がまったく異質の
存在としてこのバンドに関わっていることが、
GOINGの音楽を面白くしているのだという自負もまたありました。
しかしその「違い」は少しずつ「ズレ」になり、とうとう決定的に
「良いと思うものが違う」ところまで来てしまいました。
ストレスにより健康を害したこともあり、これ以上は続けられないと感じ、脱退を決めました。
これからもそれぞれ音楽を続けていく上で、お互いにのびのびと好きなものを作るため、
お互いが不幸にならないための選択だと考えています。

https://natalie.mu/music/news/112443

しかし売れることは重要だが、売れるための音楽はつまらない。

以前は河野丈洋さんは「バンドを辞める理由がなく、やりたいからやっている」とインタビューで答えており、むしろ現状を楽しんでいる時期もあったようだ。

『ミラージュ』『ランブル』『トワイライト』『STAND BY ME』など名曲は沢山ある。
自然と名曲が作れるような才能を、これからも追っていきたいと思う。